無垢なこころ

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私のお宝、ヴェネツィアン・グラスのひな鳥です。


もう30年以上前、今の方広寺派管長・大井際断老師のお伴をしてヨーロッパ観光ツアーでイタリアへ行った時、このひな鳥の無垢な表情に魅せられ、雲水の少ないお小遣から思い切って買いました。


禅の目指す境地は、このひな鳥の無垢な心、あふれる生命感に見事に表現されていると思います。


まだ言葉も知らない、既成の価値観にも染まらない、無垢な心こそが禅スピリットであり、私たちの本来の純粋生命そのものです。

その純粋生命は、宇宙の源より湧き出でる力・エネルギーであり、これと言った目的をもたない、ただ、いまここを生きる三昧の命です。

無邪気に、ただ在ることの三昧、すなわち王三昧と言っていいでしょう。


悟るとは、宇宙と一つの天地一杯の無(空)の境地に帰ることであり、ただ、いまここに無心にあるがままに在ることです。


そして、宇宙と一つの命として在ることは、また、自ずと成すことです。つまり、悟ルとは、意識のカスを残さない現在進行形、悟リングなのです。


宇宙のみなぎるエネルギーは、個々の命において、在ることの安らぎと、成ることの喜びとして発現されます。
難しい哲学書を読むより、身近に在りつつ成っていく赤ん坊を見れば、本来の命について学ぶことができます。

古代インドの思想では、宇宙の原理・源であるブラフマンは、遊びにおいて力を発現すると説いているようです。
宇宙的遊戯、神々の遊び、すなわちリーラ(Leela)です。


オランダの歴史学者、ホイジンガは、人間の本質をホモ・ルーデンス(遊ぶ人)ととらえ、遊びの力こそが文化の源であると言っているようです。


さらには、平安時代末期の歌謡集、『梁塵秘抄』(りょうじんひしょう)に、


「遊びをせんとや生れけむ、戯れせんとや生れけん、遊ぶ子供の声きけば、我が身さえこそ動(ゆる)がるれ」と歌われています。


遊びこそが、人間の命の最高の発現だろうと感じています。


子供の頃、「こっさん遊ぼ」と声かけあって、無我夢中で時のたつのも忘れるぐらいによく遊びました。
気がつけば「夕焼け小焼けの赤トンボ」で、家に遅く帰って親父によく叱られました。

今思えば、学校の勉強よりも、子供の頃の遊びの体験が、私の命の中心にあるように感じます。

勉強の方は、「しなければならない、でも、する気がしない」で、ちっともワクワクしなかった。


人生の秘訣は、すべてを遊び心で、真剣にやることじゃないかなと思います。


そうです、皆で無我・無心になって、宇宙的遊戯を共に楽しみましょう!

そして、新しい人類の文化を、社会を創造していきましょう。

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この記事へのコメント
とても素敵ですね!!!
僕も透き通りたいです、いろんな意味で…(笑)
Posted by てぃも at 2011年07月24日 21:32
はじめまして 6月に阿部さんの講演に行き
本やブログで知り、最近は毎日のように
ブログをチェックさせていただいております

今日のブログの内容とはぜんぜん関係ないのですが
親(姑、舅)との同居をどう思われますか?
心の中の声だと 親子(自分、主人、子供3歳)と
楽しく過ごしたい!
でも世間?の声というか(うちはお寺です)
どうしても嫁は親の面倒を見るもの
同居が理想、いや当然!! 自分はしてきた!!(←母談)
こんなことケースバイケースかもしれませんが
この問題から抜けれない自分が4年もいて
他のことが考えられないのが嫌で
ブログをさまよってる感じがします

答えを出そうとしている自分が馬鹿かも?!
と思いつつ・・・
お盆も近づきはちきれそうな思いで・・・
メールをしてしまいました

日々の毎日、できることだけ懸命にしています
ブログでなんど立ち直ったことやら
あと、寺のことがなんにもわからないので
少しでも吸収して自分が成長したいと思ってますので
これからもブログ楽しみにしています
すみません とりとめもなく
Posted by 細野順子 at 2011年07月24日 21:37
ありがとうございます。
Posted by N at 2011年07月24日 22:49
どんなときでも楽しむということは大事なことなんですね

「延命十句観音経」楽しんで、唱えます(●^o^●)
Posted by 直弘 at 2011年07月25日 06:10
こっさま、おはようございます。

いつの頃からか、「遊んじゃいけない・・・人生は遊びじゃない、真剣に生きなければいけない」ふうに生きていました。
無邪気に、ただ在ることの三昧・・・素敵♪さあ今日も家事してあそぼ。
いつも心に響く言葉をありがとうございます。
Posted by ブルーエンジェル at 2011年07月25日 08:57
昔、思い出せないほど若かったころの断片を思い出しました。
自分がどこにむかって生きているのか、自分の存在の意味、虚無感とか疎外感とかそんな言葉にひかれていた頃、たまたま家の本棚にあったヘルマン・ヘッセの小説「デミアン」に行き当たりました。何か゛私の心を大きく動かしたか。
それは、「殻を破るのがどんなに苦しかったか」というくだりでした。卵の殻を破ったらひよこ(ひな鳥のこと)になるんだ、殻を破るのがとても大変なんだ、今の自分は殻を破りたがっているんだ、だから苦しいんだ。
でもどんな殻なんだろう、と思い、ヘッセの作品を読みあさりました。ナルチスとゴルトムント、ガラス玉演技、シッダルタ、、、
なんとなく心に響いたところ、さっぱり分からないところ、、、、

そして今、ああ、そうだったのか、私は、なんで?何故?と、殻をみていたんだな、と感じ当たりました。
やったね!私は、もう、ひよこチャンだ!
Posted by jinjippo at 2011年07月25日 08:58
はじめまして、ありがたく読ませていただいてます。
つい先日、瞑想をしていた時に、ほんの数秒の間、すべてが融合したような感覚を味わったのですが、一瞬のような出来事で、また味わうことができるのでしょうか?
また、悟りに関係しているいるのか?
勝手な妄想なのか、わけがわかりません。ただ誰にも話す相手がいなく、呟きさせてもらいました。
失礼しました。
Posted by ろし at 2011年07月25日 12:19
こっさま、「悟リング」に爆笑でした(^o^)
しばらくは、思い出し笑いしそうです。いつもありがとうございますm(u u)m
Posted by さざえこ at 2011年07月25日 21:13
Dearこっさん*
貴方のお話ん読ませて
いただくと
心が落ち着きます……*
o(^-^)o
Posted by *おねむちゃん* at 2011年07月26日 01:36
>今思えば、学校の勉強よりも、子供の頃の遊びの体験が、私の命の中心にあるように感じます

↑すごく分かります。あの時の夢中で遊んだ経験が、すばらしいものとして残っているからこその今だと思います。
 今パソコンやテレビゲームばかりの子供にはその感覚は残るでしょうか。

>人生の秘訣は、すべてを遊び心で、真剣にやることじゃないかなと思います

↑まさに!こっさんさんにそう言われるとこれでいいんだって安心します。

 ありがとうございます☆
Posted by 悠彰(ゆうや) at 2011年07月26日 11:25
ヴェネツィアン・グラスのひな鳥、かわいいですね♪

大人になると無垢の心を忘れてしまいますよね。
でも、楽しいって感情は時々湧きます。
そのワクワク感はいいなぁって思います。

延命十句観音経、思い出した時唱えてます。
ほんといいですね。
身体が清浄になる気がします。
Posted by 由未 at 2011年07月26日 14:09
”これと言った目的をもたない、ただ、いまここを生きる三昧”
素敵なお言葉ありがとうございます。
Posted by 里栗 at 2011年07月26日 15:45
いつも
ありがとうございます!
秘技 宇宙遊泳!!

写真撮影の仕事をしているせいか
仕事と遊びの境目がありませ
好きだから
やりたいから
やってます
生活苦しいです
でもなんとかなってます
シャッターを切る
空っぽになる瞬間が好きです
Posted by てらぽん at 2011年07月27日 15:53
真剣に人生楽しみま~す!
みんなと一緒に、悟リングですね♪
Posted by eagle at 2011年07月29日 13:22
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