天地いっぱいの無

カテゴリー │仏教・禅思想

お盆の棚経や草取りで忙しいなか、
今日は一日休んで、早朝から晩まで方広寺僧堂で坐りました。

「天地いっぱいの無」「空」は、
宇宙的沈黙、寂滅の世界です。

その淵源にひたることで、尽きせぬ天地の浩然氣・エネルギーに満たされます。
方広寺派管長大井際断老師が百歳の今もお元気なのは、常にそのエネルギーのただ中におられるからでしょう。

白隠禅師が、
「寂滅現前するゆえに、当処即ち蓮華国この身即ち仏なり…」というように、
現前の世界をそのまま包含して無限に広がっているのが「天地いっぱいの無」「空」です。
般若心経では「色即是空」といいます。

宇宙的沈黙・寂滅の「空」への入り口は、身心一如の「禅定」であり、思考を断った沈黙の行です。
僧堂で沈黙が尊ばれ、食事その他の行事を知らせるのに言葉ではなく鳴らし物で合図するわけです。

天地いっぱいの無
食事の合図に使う雲板(うんぱん)と柝(たく)

松下幸之助が、昭和の大茶人と称され京都の茶室(真々庵)で、PHP研究所の構想を練ったように、
時々は喧噪の現代社会を離れ、
坐禅・瞑想等の行により、
「天地いっぱいの無」「空」に帰りましょう。

「天地いっぱいの無」「空」こそが創造的エネルギーの源泉であり、
現実社会の諸問題を達観し大観できる地平なのですから。


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