まだまだ!まだまだ!

カテゴリー │仏教・禅思想

まだまだ!まだまだ!
        (令明禅士)


今朝はやく、
弟子の明さん(令明禅士)が、方広寺専門道場に掛搭しました。

昔ながらの雲水(修行僧)の旅姿に身を整え、
道場に「タノミマショー!」と声をかけて入門を請います。

昔からのしきたりで、臨済宗のどこの道場でも、すぐに入門が許されることはありません。
庭詰(にわづめ)、旦過詰(たんがづめ)と言って、
合わせて5日ほどの関門が待ち受けています。

庭詰は、早朝から夕方まで、食事とトイレ以外ずっと同じ姿勢で平伏していなくてはなりません。
旦過詰は、やはり早朝から夕方まで、人目につく部屋で面壁して坐禅しつづける行です。
この庭詰・旦過詰の関門を通過して、ようやく「新到参堂(しんとうさんどう)」と言って雲水の仲間入りが許されます。


まだまだ!まだまだ!


まだまだ!まだまだ!


しかし、新到にとって一番の関門は臘八大接心(ろうはつおおぜっしん)です。
12月1日から8日未明まで、一週間横にならずに不眠不休で坐禅三昧の行を続けます。

昔から「雲水命とりの大接心」と言われ、
老師からは「座布団のうえで死に切ってこい!」と叱咤激励され、
禅堂では、警策でようしゃなく打たれつづけて、
徹底して自我を打破することを求められます。

この臘八大接心の関門を通過して一年間を無事修行すれば、
ようやく最低の禅宗僧侶としての資格を得ることができます。


地元の大手企業を無事勤めあげ、62歳にもなって、
どうしてわざわざ厳しい修行に身を投じるのか…、
明さんに聞いてみました。

「長年今日の競争社会のただ中で、企業戦士として懸命に働いてきた。
しかし、今までの自分の人生には欠けていたものがある。
それは精神性であり、その空白を仏道修行で満たしたい。
そして、残された人生を僧侶としての修行にささげ、少しでも社会に貢献したい。」

明さんのモットーは「生涯現役」。

禅語に「未在(みざい)」という言葉があり公案にもなっています。

白雲禅師は、どんなに立派な悟った禅僧がやってきっても、
「未在!」(まだまだ)と言い放ったとか。

人生は未完成が完成の「悟ing」のプロセス。

「まだまだ!まだまだ!」と生涯修行し続けるからこそ、
愉快だし素晴らしい出会いもあるのだと明さんを送りだして思いました。





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この記事へのコメント
以前、お寺で写真を撮っていたところ、雲水は撮らないでくださいといわれましたが何か理由があるのでしょうか教えて頂ければ幸いです。
Posted by 幻想堂幻想堂 at 2014年04月04日 17:42
まだまだ‼︎

私も、まだまだ‼︎

明さんのお話、何か感動しました。
ありがとうございます。
Posted by Joy at 2014年04月14日 20:38
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