風のたより

あけましておめでとうございます。
皆様のご多幸を心より祈念もうしあげます。

さて、私の今年のモットーは
「慈眼視衆生（じげんじしゅじょう）」
「福聚海無量（ふくじゅかいむりょう）」です。

これは観音経にある言葉で、
「観音様は何時もやさしい、思いやりの眼をもって
私たち生きとし生ける衆生を見てくださる。
その観音様の心をもって生きれば、
海の如く無量に福が集まる。」という意味です。

禅にかぎらず、人間の人格の向上、修養というのは、
自分の心の習慣性を無意識の深層から、より良い肯定的な方向にむける、
すなわち心のチャネリングを良くすることだと言えるでしょう。

たとえ同じ状況にあっても、
人はそれぞれの心の習慣性でその状況にチャネリングし、
それぞれに違って受けとめています。
否定的で批判的な心の癖（くせ）・習慣性の人は、
どんな状況にあっても否定的で批判的ですし。
肯定的で建設的な心の癖の人は、何事も肯定的、建設的に受けとめます。

観音様は、やさしい、思いやりの眼をもって慈愛の心から、
まわりの自然や人々を観じ感じるのです。
そして、そのようにして観じ感じた世界は、
福が集まり海のごとくに限りないというのです。

もちろん、観音様の心は私たちの本来の心にほかなりません。
合掌する、感謝する、延命十句観音経を唱える、
出会った人の幸せを念ずる等々の日々の修養によって、
心の癖を常に観音さまの心にチャネリングし、たとえどんな困難な状況でも、
慈愛と信頼をもって観じ感じて、肯定的・建設的にかかわることができ、
福を招き寄せることになります。
「地上の子の最高の幸福は人格なれ。」（ゲーテ）というように、
観音さまのような慈愛の心をもった人格となることが、
福を招きよせる最高に幸福な人生です。